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最初の第一歩 毎日一つ感動


by yukinachan55
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「私たちの幸せな時間」 孔枝泳著 蓮池薫訳

韓国語教室がお休みになると本を読む時間が増えるようです。
でも、その分韓国語の勉強をしていないことになります。
先日ブックセンターで借りた本です。蓮池薫訳とあるのでそれに引かれて
借りました。
一昨日から読み出して、一気に読んでしまいました。
原題は「우리들의 행복한 시간」「私たちの幸せな時間」です。
著者孔枝泳氏は韓国の女性作家で韓国で若い女性に根強く支持される
女性作家だそうです。
訳者蓮池薫氏は24年間北朝鮮で生活を余儀なくされて今は新潟大学で
朝鮮語の講師。中央大学に復学して法学の勉強中とありました。

韓国の町を歩くと一番違うなあと思うのは教会が多いことです。
どこにでも教会があります。
この本は思春期に傷を負った女性がその時の母親の取った態度を
許すことができず、その傷を克服することなく30歳になり、死ぬことばかり
考えて生活している状態で、唯一理解者であるおばのシスターの願いを聞いて
拘置所の死刑囚に会うところから物語りは始まります。
女性主人公ユジュンの視点で現在の話が進んでいきます。
その文章と死刑囚ユンスが書き残したブルーノートが交互に出てきます。
ブルーノートはユンスの悲惨な生い立ちが語られます。
二つの文の字体が違うのがすごい効果があります。
毎週木曜日ユジュンは教会の矯正委員として死刑囚ユンスと会いながら
二人が変わっていく過程を丁寧に書かれていてよくわかりました。
死刑制度という重い課題なのに目を離さずじっくり読めました。
読み終わって最初に戻って少しだけもう一度読みました。
よくわかりました。
きれいな日本語です。
作者はこの小説を通じて、わからないということで無関心を装うのでなく
他者への愛、弱者への無関心によって起こる疎外感を打破しお互いが
思いやり愛し合わないことには根本的な解決はありえない。
そのことに一人でもきずいてほしい、何かを感じて何かを始めて欲しい
そんな強い思い、責任感 使命感を感じて小説を書き上げたとあります。
「私たちの幸せな時間」 孔枝泳著 蓮池薫訳_b0044296_21294423.jpg

小説を読み終わって、しばし考えて思いをめぐらしている状態です。
この小説は映画にもなったそうです。
でも、今は映画は見たくありません。
時間と機会があったら韓国語の原文で読んでみたいです。
Commented by miya at 2009-08-08 23:32 x
蓮池薫さんは、中央大学法学部に在学なさっていたので、順調に行けば司法会の方だったかもしれないと思うと、ほんとうに気の毒です。
もうすでに、中央大学は卒業なさったはずです。
確か、先月 新潮社から 「半島へ、ふたたび」 という北朝鮮での生活を描いた本を出されました。 これは、私も読みたいと思っています。

「私たちの幸せな時間」  カン・ドウォン主演の映画も良かったです。
いつもは、お茶目な カン・ドウォンが上手に演じていました。
Commented by yukinachan55 at 2009-08-09 09:36
おはようございます。朝から雨が降って金剛山に行く予定が
だめになってしまいました。
蓮池薫さんの本は「ハル哲学する犬」と「蓮池流韓国語入門」を
読みました。
たくさん翻訳されていますね。
「半島へ ふたたび」私も読んでみたいです。
映画よかったですか。
もう少し時間たってから見ます。
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by yukinachan55 | 2009-08-08 21:47 | 読書 | Comments(2)